久しぶりの大型、そして味わい深く、程度のよいアンティークキャビネットが入荷しました。
ワードローブ、食器棚、本棚など、様々な用途に使え、大きいながらも160cm以下の高さで、使いやすいサイズです。
時代としては、清代後期だと思いますが、後に、一度分解、再組み立てをして、躯体のグラつきなどが出ないようにしてあります。 補修した場所も、周囲に適度になじませてあり、違和感がないのも、良い部分です。
一番目を引く特徴としては、
A 脚の間の板、それに観音開きのドアに施された蝙蝠や蝶々の浮き彫りですが、昨今のレプリカに比べると、以下、その他の部分でも、「あーきちんと作ったんだなー」というか、現地の職人さんの家具に対するおもいやりが、実感できます。
B 側面の板は、段がつけてある。(最近のものは、のっぺりとしたものがほとんど)前後の脚の間の板は、やや丸みを感じる曲線で仕上げている。(近作では、ここも単なる板)
C 天板、背板ともに無垢材(最近はベニヤ)正面、側面から見ても台形。(直角にパーツを組むのは簡単。これは少し斜めにして、台形にしている)
D 補修した跡を、いかにも最近直したという仕上げでない。
E 新たに塗り足した部分も、色合わせがきちんとできている。
その他、実生活で重宝する部分としては、棚板が外せること。引き出しがついていること。どちらも、新たに作り直した部分であるようですが、上述Eのように、色が合わせてあり、もとからのように見えます。
本品は、中国は広東省に長く駐在であった方から、ご帰国後のお家の間取りの関係でご出品されたものです。現地では、たまたま訪れた家具屋の店の隅で、忘れられたようにひっそりと置いてあったものを見つけたということで、前オーナー様も、大変大事にお使いになっておられたようです。お引き受けにお邪魔した際、「次にお使いになる方が、大切に繋いでいってくれたら嬉しいな」「もし可能なら、どんなお部屋に飾ってもらえたのか写真でも見せてもらいたいなぁ」とおっしゃっていました。ということで、お求めいただきましたら、是非、写真の一枚でも、お送りいただけたらと思います。
https://plus.google.com/photos/104767228253396780262/albums/6025794025298506593
商品の概要
外寸 天板W107 x D54 全高H155 /本体W99 D49cm
中国 江南地域の様式
ニレ
19世紀後半から20世紀初頭