李朝家具の金具について

朝鮮王朝時代(李朝)の家具は、松や欅などを用いた素朴さ、静かな佇まいが人気ですが、その渋い魅力に華を添えているのが、様々な意匠の金具です。
それらのモチーフの多くは、動植物や漢字などで、「健康、長寿、子宝」などの願いが込められています。

最近、これら韓国の伝統家具の装飾に関する書籍を入手する機会がありましたので、
手元にある一つの李朝時代のバンダジ(もしくはパンダジ)をもとに、使われている金具の1つずつ見てみました。
以下にご紹介してみたいと思います。

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まず、バンダジについて
バンダジは、日本でいう押入れのような役割の家具で、主に寝具や衣類などを収めるのに使われた箪笥のこと。
多くは、家具を真横に分断する位置に蝶番が付き、上半分が開く構造になっています。
このバンダジは、大きめでまた白銅製の金具が多用された凝った品物。多くは黒い鉄製の金具が使われています。

以下に、AからHまでの金具をご紹介致します。

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A バンダジの扉を押さえるための金具周辺
細かく丁寧に刻印された文字 主に儒教にまつわる言葉が使われています。

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B 中央の蝶番
下の部分は寿の字を図案化したもの。上は牡丹の図
花の紋様は色々とと使われ、この牡丹の他に菊、梅などもよく用いられる。

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C 蝶番
この家具では左右3つずつの帯状の蝶番が用いられている。寿・福・康・寧などの縁起のよいものばかりが並ぶ。

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D 扉の持ち手部分
この金具のモチーフについては、現在、不明。多くは蝙蝠や蝶、菊などの線対称のモチーフが用いられるようです。

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E 補強用の金具
家具の四隅を補強する僧帽型のコッカルや、エッジ部分の補強をするキジェビ(写真上の金具)にも
ユニークな形をしたものが多い。この家具では素朴な長方形のものが使われているが、他の家具とのバランスのためであろうと思います。

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F この花の紋様も特定はできず。ただし、ひとつの鉢から幾つもの花や葉を持っていることから、子宝に恵まれますようにという願いが掛けられていると思われます。

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G 鯛の金具
男の子が立派に成長しますようにという願いを表しています。

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H 鶴
不老長寿の薬草を加えた鶴。多くの鶴は、2体1対、線対称に配置されることが多い。
夫婦円満と不老長寿を願ったモチーフ。

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というような具合でした。

中国家具にも共通するモチーフも多いのですが、家具の様式が異なること、また金具の数や配置も違うため、

ずいぶんと違った印象になるものです。

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今回、参考にした資料 「韓国の家具装飾」 文:金昌文 写真:加藤敬 平河出版社

http://astore.amazon.co.jp/ethnica-22/detail/4892031836

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